KTMシリーズ
KTM形カミアイクラッチ
KTM形カミアイクラッチの構造と動作
上の図は、クラッチが切り離された状態を示し、右の図はクラッチが接続された状態を示しています。このクラッチは、ハンドルで直接ツースをかみ合わせるのではなく、アウタスリーブをハンドルでシフトすることにより、ローラーが矢印の方向に押し込まれて、移動本体がシフトしてツースがかみ合う構造になっています。
ツースにトルクが掛かると、かみ合わせが外れる方向に力が掛かりますが、この力はインナスリーブが受け止めます。ローラーはインナスリーブのテーパー部分に嵌め込まれていますので、ローラーに掛かる力は外周方向に働きますが、この力はアウタスリーブの内面に作用し、ハンドルには直接伝わりません。ハンドルは自己保持されますので、通常の使用では特にハンドルを固定しなくてもクラッチのかみ合いが勝手に外れることはありません。
【注意】
但し、クラッチ自体の振れや、取り付けの振れ、機械の振動等によって、シフトホークに外力や加速が加わるとクラッチが勝手に外れることがあります。
クラッチが勝手に外れると重大な支障が生じる恐れがあるときは、シフトホークの上部ピン穴等を利用してシフトホークを固定してください。尚、オプションパーツとしてロックピン付のシフトホークを用意していますのでご利用ください。
ハンドルをクラッチ切の方へ操作すると、ローラーがレリーズバネによって外周方向に押し出されて左図の状態になり、クラッチは切り離されます。トルクを掛けた状態でクラッチを切り離す際にツースに生じる反発力は、ハンドルに直接伝わらずローラーを経て間接的に伝わりますので、ハンドルに掛かる力は緩やかなものになります。
【注意】
この時、ハンドルに掛かる力はゼロではありません。クラッチに掛かるトルクや回転変動により、ハンドルに大きな力が掛かることがあります。トルクを掛けた状態でクラッチを切り離す場合は、万一ハンドルが跳ね返されても手や指がケガをしない様に操作をしてください。又、ハンドルの近くに顔等を近づけないでください。